京都で100周年を迎える印刷会社社長のブログ

2011年度に創業100周年を迎える土山印刷株式会社。京都の老舗印刷会社として伝統を大切にしながら最先端デジタル技術との融合を目指し、「品質とサービス」をモットーに企業経営を進めております。

安倍首相辞任

世間は、安倍首相の辞任劇で騒然としています。

安倍首相の政策や手腕については皆さんいろいろとご意見があると思いますが、自分なりに思い当たる節があるので、徒然に思いつくまま印象を述べたいと思います。

それは2代目、3代目のリーダーという事です。

私自身祖父が始めた会社を父から受け継いだ3代目です。
安倍さんは首相就任当初から、「戦後レジームの転換」、「美しい国日本」といったキャッチフレーズをベースに大変意欲的なビジョンを掲げ、仕事に取り組んでこられました。

私自身といえば5年ほど前に社長に就任し、自分なりに大変意欲的なビジョンを掲げて仕事に取り組んできたつもりですが、その間の経営がうまく行ったかといえば、今振り返ってみてもお恥ずかしい限りです。

当時何を考えていたかというと、「うちの会社にはビジョンも戦略もない」「幹部は何も考えていない」「毎日同じことの繰り返しで、新しい時代にマッチした大きな目標にチャレンジできていない」「私には答えもビジョンもある」「私の戦略どおり実施すれば会社は大きく発展する」「私のリーダーシップのもと素晴らしい会社を作れば社員は幸せだ」という事です。

文字にしてみていっそう恥ずかしくなってきました。

2代目、3代目は先代の経済的成功のもと、高い教育を受けています。生まれたときからリーダーになる意識を持って育っているので、自分なりのビジョンや、リーダー像を持っています。しかし、徒手空拳から事業を成功させてきた初代の経験、感性、センスは持ち合わせていません。頭でっかちですので、「自分がイメージしたこと」と「ほかのリーダーが実行していること」を比較して自分の方ができる気になってしまいます。ほかの先輩リーダーは自分自身実行して、イメージしたことの中から、本当にできることとまだ自分でできないことを仕分けし、できることから順番に実施します。

イメージできることと本当に実行できることとはレベルが違うんだと思います。

経験の少ない2?3代目リーダーはそのことが分かっていません。「イメージできることはできること」と短絡し、過大な自信の下、大きな方針を振り回し、周囲の人をできもしないことに巻き込むこともしばしばです。

この5年ほどで学んだことは、ただひとつ、「経験」「経験の大切さ」です。

そういえば安倍さんも衆議院議員に当選したのは比較的最近のはずですし、組織を伴う主要官庁のトップたる大臣や、目に見えぬノウハウの積み重ねであろう党務、またその集大成である党3役などの経験は薄く、もっぱら選挙の顔としての活躍が期待されたキャリアであったとの印象があります。
お気の毒ですが、ご本人の思いとは別に絶対的な経験不足であったのではないかと思います。

私自身はといえば、この5年間で多くの失敗経験をしてまいりました。

現在の自分の能力や自分が本当にできることが当初イメージしていたものとはかけ離れており、やはり十分時間をかけ、周囲のスタッフとコミュニケーションをとりながら、お互いの理解を深めながら、新しいことにチャレンジをしていかねばならないことに気づきました。
力量不足と思っていた幹部が実は会社の実態や、顧客の考えを熟知していたことを知り、実態に応じて適切な判断をしていたこともいくつもあります。

もちろんリーダーはビジョンがなければいけませんし、常に新しいチャレンジに取り組むべきだと思います。

しかし豊富な経験をつみ、今の自分、今の組織に本当にできることとできないことをしっかり判断すること。
拙速に理想を追求するのではなく、我慢強く一つ一つものにしていく粘り強さ。
そのために苦労をともにしてもらうスタッフや社員を大切にし、繰り返し繰り返し説得を行うこと。また普段から率直かつ家族的なコミュニケーションを心がけること。
いざというときのために、精神と肉体のコンディションを健全に保つこと。無理しすぎないこと。

今回の安倍首相辞任劇は私のような立場のものには大変示唆に富んだものとなりました。
上記の教訓は自分の5年間の経験と今回のことを念頭におきながら、導き出したものです。

未だに未熟な経営で、周囲の方々を困らせていることとは思いますが、そのことを十分に念頭に置き、謙虚に自らを律する一方、しかし思い切った挑戦なくして豊富な経験は得られず、十分に考えた後ではあっても積極果敢にスタッフや社員の皆さんとともに仕事に取り組んで行きたいと思います。

皆様方の今後も変わらぬご指導・ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。


Categorised as: 日記



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