京都で100周年を迎える印刷会社社長のブログ

2011年度に創業100周年を迎える土山印刷株式会社。京都の老舗印刷会社として伝統を大切にしながら最先端デジタル技術との融合を目指し、「品質とサービス」をモットーに企業経営を進めております。

久しぶりのブログ

先週末、7月11日に関西地区経済同友会会員合同懇談会で高松に行ってきました。主題は「自然と文明、暮らしと芸術の融合を目指して!」でした。

基調講演は静岡文化芸術大学学長の川勝平太氏。京都出身で、小渕首相のブレーンとして「富国有徳論」を説き、日本の外交戦略のバックボーンとなりうる「文明の海洋史観」を語らせたら、右に出るものがいない人物です。いわゆる京都学派の系譜の人物であり、高坂正尭先生の知的資源の後継者といえる方でしょう。今回は美しい、瀬戸内海の景観を21世紀の世界の中の日本の役割に関係付けて高らかに謳いあげてくださいました。

「人間の知的資源の源流は4つある。ギリシア哲学、一神教、仏教、儒教である。近現代の科学合理主義は、前2者の融合である。しかしながら、昨今の環境・エネルギー問題を契機に科学合理主義一辺倒は地球的限界に来ているという認識が生まれている。幸い知的資源の後2者は自然の英知を学び、型や美を尊ぶ思想である。日本文化がある意味結実した江戸後期から明治期に日本に来た西洋人は日本の独自の美しさに驚嘆の声をあげている。これからの時代はこの4つの知的資源の融合の上に築かれる。考えてみれば、日本は西からの文化と東からの文化が見事に融合し、独自に発展した初めての地である。地理的に見ても南北に長く、東北・北海道は森の文化、関東は平野の文化、中部は山の文化、関西は海の文化であり、地球のミニチュアと見立てることができる。瀬戸内海はエーゲ海に変わり世界一美しいアーキペラーゴ(多島海)。世界に誇る漁業、林業、農業を再活性し、環境時代にふさわしい文明を作っていくことが必要。」とのお話をしていただきました。

以前から川勝先生のスケールの大きいお話には敬服しておりましたので、大きな文明論として日本のあるべき姿をお教えいただき大変感銘を受けた次第です。

そのあとゲスト講演として、株式会社ベネッセコーポレーションの福武会長より「島・生活・アート  -  直島からの発信  -  」をテーマにお話をしていただきました。失礼ながら、川勝先生の後はどなたが話しても、大変だろうなと思っていましたが、良い意味で期待を大きく裏切られました。

「学生時代から東京は長く住んだ街。娯楽、緊張、刺激といったものがあり、面白い街。父が急に体調を崩して、岡山に戻らなければならなくなった。数ヶ月の間徹底的に、直島を含め現地を歩き回ったが、自分の中で、東京は仮想敵となった。現在の日本はひどい状態。経済、国家債務、教育、社会の状況、どれをとってみても将来に希望を持てるものではない。地方がそれぞれの特長を捨て、東京に右に倣えになった事が、その原因であると思う。大きな時代の転換期であり、今まで主役だったものが脇役になり、脇役が主役になる。経済は目的ではなく、経済は文化の証明であると考えている。事業を継承してから、競争で成長することはしない、自分の家族にしてほしいことをサービスにすることを目指してきた。事業モデルはある意味でバチカン。聖書一冊で国家経営をしている。直島の事業を通じて、自給自足の村づくりを図っている。過疎の島だが、現代芸術をてこに直島の美しい風景と伝統文化をベースにプロヂュースし多くの人が島を訪れるようになった。自説では、お年寄り、過疎、現代美術というのは普遍性を持った地域活性化の有効な方法論だと信じている。

直島は、若い人が訪れるようになり、自給自足の状況になり、現代美術は直島という舞台を得て素晴らしい作品が生まれている。直島の事業成功が社会的に認知され企業のブランド向上につながり、事業も継続して伸びてきている。日本という国はこれから期待できないが、地域は東京を仮想敵として、あるもの(景観、歴史、文化)をベースとしてプロヂュースすれば大きな可能性を秘めている。」

日本の諸問題を考えるのもまずは足もとから。国に頼るのではなく、自らの力で。という力強いお話であったように思います。経営者として身近な売上、利益ということに終始している現状を反省し、大きな志を持って企業経営を推進されている福武会長に大いに刺激を受けた次第です。

参加者も川勝先生、福武会長の大変示唆にとんだお話に多くの方が大満足であったのではないかと感じました。

このような大きな気づきの場に参加できることは、経営者の特権です。修練を積んで事業の発展、社員の成長、地域への貢献に資するよう今後も取り組んで行きたいと思います。


Categorised as: 日記



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